「GATE」
- 2010年07月28日
- 随想
先日長崎・稲佐山に行ってきた時、帰りに稲佐山の展望台から
長崎の夜景を見てきました。
長崎の街を360度見渡すことのできる稲佐山展望台から見た夜景は、
夏の夜の澄んだ空気の中に浮かび上がる、美しい光の芸術のようでした。
けれども、今から65年前。
あの美しい長崎の街は、広島に続く原爆投下によって、
この世の地獄のような人類史上の惨劇を経験した街でもあります。
長崎投下の3日前、広島を地獄の炎に包んだ「原爆の火」は、福岡県星野村で、
平和への祈りと願いと共に、今も絶やすことなく灯され続けています。
映画「GATE」は、原爆がもたらした破滅の輪を閉じるため、
長崎から出発し、アメリカの世界最初の爆心地、
トリニティーサイト・グラウンドゼロへと「原爆の火」を返すべく、
まさしく生死を賭けた使命を持って歩まれた
僧侶達の魂の意志を綴ったドキュメンタリーです。
平和への祈りと使命と共に、ただ一心に静かに歩み続ける僧侶達の美しい姿は、
反感を持っていた人間達の心すら変化させ、
ついには、国家・民族・宗教を超えて、
深く大きなひとつの和の心へと、人々の心のGATEすらも開いてしまいます。
敵対するでもなく、非難するでもなく、
ただ、限りない平和への意志を自らのあり方で示すことで、
人間の心の奥底の琴線をひとつに響かせ合う「人間の心の希望」を示した、僧侶の方々。
その姿こそが、平和への不動の祈りそのものであり、
その姿こそが、日本が世界に示すべき「和の道」なのではないでしょうか。
世界唯一の被爆国だからこそ、
恩讐を超えて、涙の意志と共に貫き通すべき「和の道」。
お互いを分離して非難・攻撃しあう人間の無明の心の闇、
閉ざされた心のGATEを開いて、
すべてがひとつに和する道を世界に伝える使命。
それは、私たち日本人一人ひとりが自ら引き受け、向き合うべき使命だと思います。
夏の夜、光の街を眺めながら、そんなことを考えさせられました。


